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生成AIの費用を契約前に見積もる手順:席の単価はほぼ横並び、差は人数と2年目でつく(2026)

生成AIの費用を契約前に見積もる記事のアイキャッチ。副題は「3社の有料の席は通常価格・30人分でどれも月9万円台。動かすのは次の3つ」。「人数(有料の席は使う人だけ・上位は止まった人に)」を強調し、「手元のAI(いま払うプランに付いているAIを確認)」「2年目(税・初年度割引の終了・為替・従量分を足す)」を横一列に示している。 AI
この記事の結論(先に3行)
  • 30人全員に標準の席を配ると、ChatGPT Business(年額課金)は月91,500円、Claude Team(年払い)は月$600(約94,800円)、Microsoft 365 Copilot Businessアドオンは月94,440円です。通常価格で比べるとどれも月9万円台で、製品を替えても見積もりはほとんど動きません(Copilotの初年度割引を入れると月80,940円)。
  • 動くのは配る人数です。Microsoft 365とGoogle Workspaceの対象プランには、追加の席を買わずに使えるAIチャットがすでに付いています。月に数回しか使わない人はまずそちらで試し、有料の席を使う人だけに絞ると、30人の会社でも月3万円前後から始められます(編集部試算)。
  • ChatGPTとClaudeの上位シートは、標準のちょうど5倍の価格です。1人上げるとChatGPTなら月12,200円増えるので、上限で仕事が止まった人にだけ付けます。稟議には、税・初年度割引の終了・為替・従量分を足します。

「1人あたり月3,000円なら、30人で月9万円」――生成AIの稟議は、たいていこの一行から始まります。単価についてはおおむね正しい一行です。ずれるのは人数のほうで、30人全員が毎日使うわけではありません。そのうえ、いま払っているソフトにAIがすでに付いていることもあります。

この記事は、中小〜中堅企業で導入の稟議を書く方(情シス、経営企画、部門長、総務)向けに、契約前に月額を自分で計算する5つの手順をまとめたものです。どのAIが優れているかは扱いません。

最終更新: 2026年9月21日/各社の公式料金ページは同日に原文で確認しました。料金・割引条件は変わるため、契約前に必ず公式ページでご確認ください。本文の「(編集部)」は、出典にない編集部の仮定・試算・推奨を示します。

手順1 いま払っているプランに付いているAIを確かめる

有料の席を足す前に、すでに払っているMicrosoft 365やGoogle Workspaceに含まれるAIを確認します。月に数回しか使わない人は、まずそこで試せます。

日本マイクロソフトは、Copilotのページのよくある質問で「Microsoft 365 Copilot Chat は、対象の Microsoft 365 サブスクリプションを持つすべての Microsoft Entra アカウント ユーザーに追加費用なしで利用できます。」と説明しています。同じ回答によると、有料のCopilotライセンスを足すと、Microsoft Graph上の業務コンテンツを使った高度な機能が加わります。

GoogleのWorkspace料金ページでは、Business Starter(月800円・年間プラン)の機能に「Gemini アプリで AI とチャット」、Business Standard(月1,600円・年間プラン)に「Gmail、Google ドキュメント、Google Meet などの Gemini AI アシスタント」が並んでいます(いずれも税別)。AIの料金が別に付いているわけではなく、プランの中に含まれている形です。

つまり、30人全員に新しい席を買う前に、手元のAIで足りる人が何人いるかを確かめる余地があります。有料の席は、それで足りない人に絞って買えば済みます(編集部)。製品ごとの特徴はChatGPTレビュー・Geminiレビューで扱っています。

手順2 使う人を頻度で3つに分ける

名簿を「毎日使う」「週に数回」「月に数回以下」に振り分けます。有料の席は前の2つに配り、3つ目は手順1のAIで様子を見ます(編集部)。
  1. 毎日使う人――資料作成・翻訳・コード生成など、業務の主な工程で使う人。すでに個人契約や無料版で使っている人がいれば、この層の候補です。
  2. 週に数回使う人――会議の要約、メールの下書き、調べものの時だけ開く人。
  3. 月に数回以下の人――たまの翻訳や資料作成でしか触らない人。

導入前の振り分けは推測で構いません。ただ、推測だと稟議に書いておくと、あとで実績と比べやすくなります。

使う頻度で人を3層に分ける図解。見出しは「人数の前に、頻度で3層に分ける」、副題は「有料の席は使う人だけに。ChatGPT・Claudeの上位シートは標準の5倍の価格」。左から「毎日使う(強調表示・標準シート、止まったら上位へ)」「週に数回(標準シート)」「月に数回以下(まず手元のAIで・Copilot Chat/Gemini)」。
層分けと席の当て方は編集部の整理です(2026年9月21日/編集部作図)

手順3 席の金額を出し、上位シートは止まった人にだけ付ける

30人の会社で「使う人10人、うち毎日使う人3人」と置くと、全員に配る案は通常価格で月9万円台、使う人だけなら月3万円台です。毎日使う3人を上位にしても月6万円台に収まります(編集部試算)。

30人のうち、毎日使う人が3人、週に数回が7人、月に数回以下が20人という会社を仮定します(編集部)。A〜Cの3案を、各社の表示額で計算したのが次の表です。

30人の会社での配り方と月額(2026年9月21日に各社公式ページで確認した表示額をもとに編集部が試算)
製品 1席の表示額(標準/上位) A 全員30人に標準 B 使う10人に標準 C Bのうち3人を上位
ChatGPT Business(年額課金) ¥3,050/¥15,250 91,500円 30,500円 67,100円
Claude Team(年払い) $20/$100 $600(約94,800円) $200(約31,600円) $440(約69,500円)
Microsoft 365 Copilot Business(アドオン・年払い) 3,148円(初年度割引で2,698円)/上位の席種は表示なし 94,440円(初年度80,940円) 31,480円(初年度26,980円) ―
Google Workspace(Business Starter/Standard) AIはプランに含まれ、別の席はない 追加なし 追加なし ―

人数配分とA〜Cの案は編集部の仮定で、公式資料にこの試算はありません。Claudeの円換算は1米ドル=158円の概算です(算出根拠は出典欄)。Anthropic・Microsoft・Googleの表示額は税別、ChatGPT Businessの円建て価格は料金ページに税の扱いの記載が見当たらなかったため、購入時にご確認ください。Copilotを一部の社員だけに付けられるかは、このページからは確認できませんでした。利用人数の範囲はChatGPT Businessが「従業員数2~200名のチーム向け。」、Claude Teamが「For teams of 2 to 150」、Copilotは「最大 300 ユーザーまで」です。

表の読み方は次のとおりです。AとBの差(約6万円)は人数だけで生まれ、製品による差(Aの列で通常価格どうしなら最大約3,300円、Copilotの初年度割引を入れても約1.4万円)よりはるかに大きい、ということです。

Cの上位シートは、主に使える量の違いとして説明されています。OpenAIは標準シートでも通常のテキストチャットを「無制限*」とし(注記は「ご利用にあたっては、合理的な範囲での使用と、当社の各種ポリシーへの準拠が求められます。」)、プレミアムシートを「標準シートの5倍の利用枠(5時間ごとの利用上限なし)」と説明しています。Anthropicは「Premium seats give 5x more than Standard」とし、また「there’s no fixed message count」(固定のメッセージ数はない)と書いています。編集部が確認した範囲では、何回使えるかを数量で示した記載はどちらの料金ページにもありません。ただしAnthropicの比較表では、Teamプランの Fable の欄が「50% of weekly limits*」「on premium seats」となっており、上位シートのみ(週の上限の50%まで)とされています。Fable を業務で使う人は、量と関係なく上位シートの対象です(編集部)。

数量で比べられない以上、上位シートは「標準で上限に当たって仕事が止まった人」に後から付けるのが確実です(編集部)。OpenAIの表記からは標準シートに5時間ごとの利用上限があると読めますが、どの機能が対象かは料金ページからは分からないため、止まった人が出たら、どの機能で上限に当たったかを記録してから判断します(編集部)。1人上げるごとに、ChatGPTなら月12,200円(15,250−3,050)、Claudeなら月$80(約12,600円)増えます。まずBで始め、止まった人だけをCに移す順番なら、この増額に理由を付けられます。両社とも席種の混在を認めており、OpenAIは「シートタイプを自由に組み合わせる」、Anthropicは「Mix and match seat types」と書いています。

手順4 従量分を「件数×トークン×単価」で出す

従量の月額は、件数×1件あたりのトークン数×単価で出します。単価はモデルによって最大10倍違うので、先にモデルを決め、少量で試してトークン数を測ります。

従量の費用が出てくる場面は3つあります。APIで業務システムに組み込む場合、Claude Enterpriseのように席と従量を組み合わせる場合(Anthropicは「Seat price + usage at API rates」、FAQで「$20 per seat per month plus usage billed at API rates」と説明)、席の上限を超えて使い続ける場合です。最後のケースについてAnthropicは、上限に達したときの選択肢の1つに「turn on usage credits to keep working at standard API rates」を挙げています。OpenAIも「Enterprise と Business では、より多く利用するためのクレジットを追加購入できます。」としています。このほか、日本マイクロソフトはCopilot Chatについて「従量課金制で使えるエージェント」も挙げています。

計算の例です。問い合わせメールの要約を1日200件、月20日行い、1件あたり入力3,000トークン・出力500トークンかかると仮定します(編集部)。月の合計は、入力1,200万トークン・出力200万トークンです。

従量の月額の計算例(単価は2026年9月21日にAnthropic公式料金ページで確認/件数・トークン数・円換算は編集部)
モデル 単価(100万トークンあたり 入力/出力) 月額(入力12×単価+出力2×単価) 円換算の目安
Fable 5.1 $10/$50 $220 約34,800円
Opus 5 $5/$25 $110 約17,400円
Sonnet 5 $2/$10 $44 約7,000円
Haiku 4.5 $1/$5 $22 約3,500円

同じ仕事でも、モデルの選び方で月額が10倍変わります。同ページには「Save 50% with batch processing.」の案内もあります。トークン数は文面の長さで大きく変わるため、この表の数字をそのまま稟議に使わず、自社の文面で少量試してから式に入れてください。

従量を使うなら、支出の上限を設定できるプランかも確かめます。Anthropicの機能比較表では「User and organizational level spend controls」がTeam・Enterpriseで「Yes」、Free・Pro・Maxでは「No」です。OpenAIはChatGPT Businessの含まれる内容に「利用状況の分析と支出管理」を挙げています。

手順5 税・年契約・初年度割引を足して稟議の数字にする

公式の表示額に、消費税、年契約の条件、初年度だけの割引の3つを反映して、はじめて稟議に載せられる数字になります。

税――Anthropicは「Prices shown don’t include applicable tax.」、日本マイクロソフトは「価格には消費税は含まれていません。」、Googleは「価格はユーザー 1 人あたりの月額料金です(税別)」と明記しています。ChatGPT Businessは手順3の表注のとおり、購入時に確認が要ります。

年契約――ChatGPT Businessの標準シートは、年額課金なら月3,050円、月額課金なら月3,850円です。B案の10人なら差は年96,000円ですが、安い年額課金には期間の約束が付きます。Claude Teamも年払いなら$20、月払いなら$25で、年払いについてAnthropicは「billed once up front for the year」(1年分を前払いで一括請求)としています。Anthropicの機能比較表では「Adding seats midterm」(期間途中の席追加)がTeam・Enterpriseとも「Yes」です。一方、期間中に減らせるかはこの表からは読み取れないため、販売元に確認してください。

初年度割引――日本マイクロソフトはCopilotアドオンを通常3,148円、割引後2,698円と表示し、注記で「この割引キャンペーンは、2026 年 7 月 1 日から 2026 年 12 月 31 日まで利用できます。」「年間契約が必要で、プロモーション価格は初年度にのみ適用されます。このサブスクリプションは自動的に更新され、年ごとの定期請求の対象となります。」と説明しています。差は1人あたり月450円なので、10人なら年54,000円、30人なら年162,000円(いずれも税別)、2年目に増えます。同じ注記には「Copilot およびアドオンが含まれる Microsoft 365 プランでは、オファーや割引の内容が異なる場合があります。」ともあり、バンドル版(Business Standardとの組み合わせで3,523円など)の条件は別に確認が要ります。Copilot Business アドオン自体が「対象のビジネスプランを利用している既存の Microsoft 365 顧客のみ」利用できるとされ、割引の申し込みは2026年12月31日までです。

契約前に確認するチェックリスト
  • いま払っているMicrosoft 365/Google Workspaceのプランで、追加費用なしに使えるAIを確認した
  • 名簿を「毎日使う/週に数回/月に数回以下」に振り分け、推測であることを稟議に書いた
  • 「全員に標準」と「使う人だけに標準」の2案の月額を出した
  • 上位シートは、標準で止まった人に後から付ける前提にした
  • 従量を使う場合、モデルを決め、少量で試したトークン数で月額を出した
  • 表示額が税別か税込かを確かめ、期間中に席を減らせるかを販売元に確認した
  • 初年度割引の対象条件・申込期限・終了月と2年目の金額、米ドル建てなら為替10円の影響額を稟議に添えた

よくある質問

Copilot ChatやGeminiアプリなど、プランに付いているAIだけで足りますか。
月に数回しか使わない人なら、まずそれで試す価値があります。日本マイクロソフトは、有料のCopilotライセンスを足すと業務コンテンツと連携した高度な機能が加わると説明しており、足りない人が出たら、その人にだけ有料の席を検討します。個人向けの無料版・個人プランを会社の用途で使うのは避けてください(編集部)。Anthropicの機能比較表では、支出管理の項目がFree・Pro・Maxで「No」、「Model training」がFree・Pro・Maxで「Opt-out」、Teamで「None by default」です。
API(従量課金)のほうが安く済むことはありますか。
軽いモデルで足りる定型処理なら、席を増やすより安くなる余地があります(手順4の例ではHaiku 4.5で月$22)。少量で試して実測してから予算を組んでください。
結局、何人分から契約すればよいですか。
「毎日使う」と「週に数回」の人数分の標準の席から始めるのが無難です(編集部)。上位シートは、上限に当たって仕事が止まった人に後から付けます。
出典
  • OpenAI「料金 | ChatGPT」 https://chatgpt.com/ja-JP/pricing/(2026年9月21日確認/「ビジネス・エンタープライズ向け」タブ。標準シート¥3,050・プレミアムシート¥15,250(年額課金)と月額課金の額、「標準シートの5倍の利用枠(5時間ごとの利用上限なし)」、通常のテキストチャット「無制限*」と注記、「シートタイプを自由に組み合わせる」、「利用状況の分析と支出管理」、「従業員数2~200名のチーム向け。」、追加クレジット)
  • Anthropic「Plans & Pricing」 https://claude.com/pricing(2026年9月21日確認・英語版/Team席種と価格、Mix and match seat types、Enterpriseの席+従量、Premium seatは標準の5倍、固定のメッセージ数はない、利用クレジット、支出管理の提供範囲、Adding seats midterm、モデル別API単価、バッチ処理50%、税別注記、解約時のデータの扱い。日本語設定のブラウザでは claude.com/ja/pricing に転送されます)
  • Google「柔軟な価格プラン オプションの比較」 https://workspace.google.com/intl/ja/pricing.html(2026年9月21日確認/Business Starter 800円・Standard 1,600円、税別表示、各プランのGemini)
  • 日本マイクロソフト「ビジネス向け Microsoft 365 Copilot」 https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365-copilot/business(2026年9月21日確認/アドオン3,148円と割引価格2,698円、割引の期間と初年度限定の条件、バンドル価格、対象プランのライセンスが別途必要、Copilot Chatは追加費用なし、税別注記、解約時のデータ削除。旧URL microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/business から転送されます)
  • 欧州中央銀行「Euro foreign exchange reference rates」 https://www.ecb.europa.eu/stats/eurofxref/eurofxref-daily.xml(2026年9月21日取得/2026年9月18日の参考レート EUR/USD 1.1460、EUR/JPY 180.94。ECBは米ドル/円を直接公表していないため、この2つから編集部が1米ドル=157.89円を算出し、158円として概算)
本記事は実測(ツールの操作検証)を伴わないため、検証済印は付けていません。層分け、A〜Cの配り方、従量の計算例は編集部の仮定と試算で、各社の公式資料に同じ試算があるわけではありません。

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