- 3つは役割が違う——DeepL=専門/ビジネス文書の品質とセキュリティ、Google翻訳=言語数と手軽さ(無料)、ChatGPT=文脈・指示に沿った柔軟な翻訳。
- 業務利用でいちばん大事なのは「機密データの扱い」。DeepLは無料版含め「データを訓練に使用しない」と明記している点が強い。
- 迷ったら無料枠で自社の文章を実際に訳して比べるのが確実。用途で使い分け、機密文書は保存場所と規程を先に確認する。
「海外取引先とのメール、契約書や仕様書の翻訳、Webサイトの多言語化——AI翻訳を使いたいが、DeepL・Google翻訳・ChatGPTのどれを選べばいいか分からない」。ビジネスの現場でAI翻訳を導入するとき、多くの人が最初に迷うのがこの3択です。無料で使えるものもあり、一見どれも同じように翻訳してくれるため、違いが見えにくいのです。
結論から言うと、この3つは役割が異なり、優劣ではなく「用途で使い分ける」のが正解です。この記事では、ビジネスの日本語用途という観点で、料金・データの扱い・得意分野を公式情報にもとづいて整理します。製品ごとの詳細レビューは今後の個別記事に委ね、本記事は「どれをどう選ぶか」に絞ります。
最終更新: 2026年8月1日/本記事は一般的な情報提供であり、特定製品の推奨や契約の助言ではありません。料金・仕様・データ取扱い方針は変動するため、契約前に必ず各公式サイトの最新情報をご確認ください。円換算は1USD≈163.5円(2026年7月30日目安)。
結論:3ツールは「役割」で使い分ける
3つのツールは、それぞれ生まれも得意分野も違います。ざっくりと役割を押さえておくと、選択で迷いません。
- DeepL: 翻訳を専門とするツール。専門文書・ビジネス文書の品質に定評があり、文書ファイルの翻訳や用語集、語調(敬称/親称)の切り替えなど、業務向けの機能が充実しています。「データを訓練に使用しない」と明記するなど、セキュリティ面を前面に出しているのも特徴です。
- Google翻訳: 対応言語数が非常に多く、個人利用は無料。Webページ翻訳、スマホアプリ、カメラ翻訳など、日常のちょっとした翻訳を手軽に済ませたい場面に強いです。
- ChatGPT: 翻訳専用ではありませんが、文脈を理解し「指示に沿った」翻訳が得意です。「丁寧なビジネス文体で」「専門用語はこう統一して」「要約しながら訳して」といった細かな注文に応えられます。

料金の比較(無料枠と有料の考え方)
料金は「数え方」がツールごとに違うため、単純な横並びが難しい領域です。まず全体像を押さえましょう。
| ツール | 無料枠 | 有料の目安 | データの扱い |
|---|---|---|---|
| DeepL(翻訳ツール) | テキスト月50,000字/文書翻訳 月1件・5MBまで/用語集1 | 有料サブスク(Individual/Team/Business)あり。月額は公式で要確認。Enterpriseは個別 | 「データを訓練に使用しない」を明記(無料版含む) |
| DeepL API | Developer=無料(月100万文字・APIキー1) | Growth=月¥3,025(税込・年払い)+従量(年1,200万文字込・月上限5,000万文字) | API各プランも訓練に使用しない |
| Google翻訳 | 個人のWeb・アプリ利用は無料 | 大規模・システム連携はCloud Translation API(従量課金・要見積もり) | 公式のデータ方針を要確認 |
| ChatGPT | 無料枠あり | Plus 月$20(約¥3,270)。翻訳も利用可 | 設定・プランでデータ利用の扱いを要確認 |
DeepLの有料サブスク月額は、公式ページが無料トライアル導線に変わっており本記事執筆時点で数値を確認できませんでした。最新の料金は必ず公式でご確認ください。API料金・無料枠は公式ページで確認した数値です。
ポイントは、「まず無料で試せる」ことです。Google翻訳は個人利用が無料、DeepLも無料版があり、ChatGPTにも無料枠があります。いきなり有料契約せず、無料の範囲で自社の文章を訳してみてから判断できます。システムに組み込んで大量に翻訳する場合は、DeepL APIのDeveloper(無料枠)やGrowthプランのように、API単位の料金体系を検討します。
ビジネス利用で最重要:データの扱い
個人の使い分けなら「品質」や「手軽さ」で選べますが、ビジネスでは「データの扱い」が最優先事項になります。翻訳にかける文章には、契約書・仕様書・見積書・顧客とのやり取りなど、社外に出せない情報が含まれるからです。
この点で、DeepLは「データを訓練に使用しない」ことを無料版を含めて明記しており、API(Developer/Growth/Enterprise)でも同様です。さらにEnterprise向けでは、SOC 2 Type 2への準拠、ISO 27001認証、TLS暗号化、シングルサインオン(SSO)などのセキュリティ機能を備えています。機密文書を扱う法務・製造・金融などの現場では、こうした公式に明示されたデータ方針が選定の決め手になります。
Google翻訳やChatGPTを業務で使う場合も、入力したデータが学習に使われる可能性の有無、保存場所、プランごとの扱いを公式ドキュメントで確認し、社内規程に沿って「何を渡してよいか」を先に決めておきましょう。無料ツールを安易に機密文書に使わないことが、情報漏えいを防ぐ基本です。
用途別の選び方

- 契約書・仕様書・ビジネス文書を正確に(法務・製造・貿易): DeepL。文書ファイルのまま翻訳でき、用語集で用語を統一でき、データ方針も明示。機密性の高い文書に向きます。
- 日常のちょっとした翻訳・多言語のWeb閲覧(全職種): Google翻訳。無料で言語数が多く、Webページやアプリでの手軽さが強みです。
- トーン指定・要約しながら翻訳・下書き作成(企画・マーケ・カスタマーサポート): ChatGPT。「丁寧なビジネス文体で」「箇条書きに要約しながら英訳して」といった指示に応えられます。
- システムに組み込んで大量翻訳(情シス・開発): DeepL APIなどの翻訳API。従量課金でアプリや社内システムに翻訳機能を組み込めます。
重要なのは、1つに絞る必要はないということです。重要文書はDeepL、日常はGoogle翻訳、下書きや要約はChatGPT——というように、場面で使い分けるのがもっとも実務的です。
日本の読者にとっての意味
日本のビジネスでAI翻訳を使う場面は、英文メールの読み書き、海外取引先との契約書・仕様書のやり取り、インバウンド向けの資料作成など多岐にわたります。ここで日本の現場が特に気にすべきなのが、日本語の翻訳品質と機密情報の管理の2点です。日本語は敬語やビジネス特有の言い回しがあり、直訳では不自然になりがちです。専門文書の品質に定評があるDeepLや、文体を指示できるChatGPTは、この点で使いどころがあります。
そしてもう一つが、料金の建て付けです。海外発のツールはドル建てなど外貨建てで課金されることがあり、円安局面では体感コストが上がります。一方、DeepLは日本語・円建ての案内があり、API料金も円で確認できます(Growthは月¥3,025〜+従量)。経費処理や社内稟議の通しやすさという意味でも、円建てで料金を把握できるかは実務的なポイントです。
結局のところ、カタログスペックだけで決めるのは危険です。無料枠で、自社が実際に翻訳する文章(自社のメールや資料)を訳してみて、日本語としての自然さと、機密情報を渡してよいかのデータ方針を確認する——この2点を押さえてから本格導入するのが、失敗しない進め方です。特に契約書など重要文書を扱う場合は、無料ツールに機密を安易に入力せず、データ方針が明示されたプランを選ぶことを優先してください。
次に取るべき行動
- □ 「何を訳すか」を整理する(重要文書/日常/トーン指定が必要な文章/システム連携)
- □ 用途に合うツールを無料枠で試す(重要文書=DeepL、日常=Google翻訳、指示つき=ChatGPT)
- □ 自社の実際の文章を訳し、日本語としての自然さを確認する
- □ 機密文書は「データが学習に使われるか・保存場所」を公式で確認し、渡してよい範囲を社内で決める
- □ 大量・システム連携が必要なら翻訳API(DeepL APIなど)の料金体系を検討する
よくある質問(FAQ)
結局、どれが一番おすすめですか?
用途によります。専門文書・ビジネス文書の品質とセキュリティを重視するならDeepL、無料で手軽に多言語を扱うならGoogle翻訳、文体指定や要約しながらの翻訳ならChatGPTが向きます。1つに絞らず、場面で使い分けるのが実務的です。まず無料枠で自社の文章を訳して比べてください。
機密文書の翻訳に無料の翻訳ツールを使っても大丈夫ですか?
安易な利用は避けるべきです。入力したデータが学習に使われる可能性や保存場所は、ツールとプランで異なります。契約書や顧客情報などの機密文書は、データ方針が公式に明示されたプラン(例: DeepLは「データを訓練に使用しない」と明記)を選び、社内規程で渡してよい範囲を先に決めてください。
DeepLの有料プランはいくらですか?
本記事の執筆時点で、DeepLの有料サブスク(Individual/Team/Business)の月額は公式ページ上で数値が表示されず(無料トライアル導線に変更)、確定できませんでした。最新の料金は公式サイトでご確認ください。なお翻訳API(DeepL API)はDeveloperが無料枠、Growthが月¥3,025(税込・年払い)+従量、と公式で確認できます。
ChatGPTは翻訳ツールとして使えますか?
使えます。翻訳専用ではありませんが、文脈を理解し、トーンや用語の指示に沿って訳せるのが強みです。一方で、翻訳専用ツールに比べて出力が指示に左右されやすいため、重要文書では結果を人が確認し、機密情報の扱い(プランごとのデータ方針)にも注意してください。
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出典
- DeepL Pro プラン比較(無料版の文字数・文書翻訳・用語集・データを訓練に使用しない) — deepl.com/ja/pro(Tier2・2026年8月1日確認)
- DeepL API 料金(Developer無料・Growth月¥3,025+従量・訓練不使用) — deepl.com/ja/pro-api(Tier2・2026年8月1日確認)
- Google 翻訳 / Cloud Translation 料金 — cloud.google.com/translate/pricing(Tier2・2026年8月1日確認)
- ChatGPT 料金(Plus 月$20・翻訳利用) — OpenAI公式(Tier2・2026年8月1日確認)
本記事に登場する製品名・ロゴは各社の商標または登録商標です。本記事は独立した編集記事であり、各社との提携・協賛・推薦関係はありません。掲載の図解はjisalab編集部が作成したものです。料金・データ取扱い方針は変動するため、契約前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

